第27回研究例会

■ 日時 2021 年 9 月 18 日(土)13:00-17:00(オンライン) 


■ プログラム 13:00 開会 

13:05-13:45 「独立後のアゼルバイジャン共和国の人口動態と子どもの権利(1)」 

 村知稔三(青山学院女子短期大学) 

 旧ソ連諸国の 5 つの地域のうち、バルト地域を除いた 4 つの地域から 1 か国ずつを選んで、子どもの権利と保育・福祉の実態に関する比較研究を行なうという計画の最後の対象国として、南コーカサス(ロシア語でザカフカース)地域 3 か国のひとつ、アゼルバイジャン共和国を取り上げた発表である。ロシアとの対比で、同じスラブ圏のベラルーシや、中央アジア地域のカザフスタンを対象としたときと同じように、今回の第 1 発表では、アゼルバイジャンの歴史と現状の概要と人口動態の特徴をまとめる。北海道よりも一回り大きな国土に約 1000 万人が暮らす親日国アゼルバイジャンでは、この30 年ほどの間、ヘイダル親子が大統領職にある。その下で子どもはどう育ち、遊び、学んでいるのか、その権利はどう保護・保障されているのか、という問題の外枠を少しだけ明らかにしたい。

 13:45-14:00 休憩


14:00-16:30 シンデレラ譚シンポジウム 

伊藤 敬佑(白百合女子大学非常勤講師)

金子 真奈美(横浜商科大学)

鈴木 明日見(駒澤大学非常勤講師) 

 2021 年度秋の例会にて行う予定の「シンデレラ・シンポジウム」では、発表者三名が シンデレラ譚を通して〈子ども〉(家族や児童文化、児童文学を含む)を捉えることを目 指す。シンデレラ譚は長期にわたり、世相を反映しながら大人のみならず子どもに向け ても繰り返し語られてきたため、〈子ども〉を考察するには恰好の題材のひとつである と考える。鈴木明日見は Aschenputtel (Grimm, 1812) を分析し、近代的な国家・社会・ 家族を創造するために理想とされた姿や、その理想形成のために童話が果たした役割を 明らかにする。伊藤敬佑は Cendrillon (Perrault, 1697) の形式・表現方法の変遷、及び それを取り巻く言説を調査することによって、フランスにおける〈子ども〉がいつ頃か ら読者として意識されたのかを突き止める。金子真奈美は Cinderella (Cendrillon の英 訳)と The History of Little Goody Two-Shoes (Newbery, 1765)を比較検討することに より、Cinderella 的物語である The History of Little Goody Two-Shoes が児童文学の 黎明期においてランドマーク的な地位を獲得したことの時代的意義を探る。 


16:30-17:00 諸連絡 

17:00 閉会

世界子ども学研究会

世界子ども学研究会は、「世界各地の社会・歴史・文化の中の、子どもと青年」を研究対象とした研究会として、2009年にスタートしました。歴史学・教育学・保育学・発達社会学・(児童)文学・音楽学などの諸分野間での、グローバルな学術交流を行なっています。本研究会にご関心のある方は、以下のアドレスまでメールでご連絡ください。 office-children(アットマーク)freeml.com