日時:2024年9月21日(土)13:30~17:30
現地会場とTeamsによるオンラインによるハイブリッド開催
会場:グレッグ外語専門学校 自由が丘校
https://www.gregg.ac.jp/
東京都目黒区自由が丘1丁目14-6
東急「東横線」「大井町線」の「自由が丘」駅から徒歩数分
13:30~13:35 開始
研究発表(発表時間30分+質疑応答15分)
13:35~14:20
山口刀也(東北生活文化大学・講師)
朝鮮戦争期の岩国基地拡張反対運動における教師の役割
――「人間の本性」をかけて――
発表者は、基地問題が深刻化するなかでの教師や学校、ひいては教育のあり方を歴史的に考えてきた。本発表では朝鮮戦争期(1950-1953年)の山口県岩国市を舞台とする。この時期、岩国は国連軍の出撃の拠点となった。それにともない様々な問題や被害が発生した。なかでも1952年6月に浮上した岩国基地拡張計画とそれにともなう土地接収問題に焦点を当てる。教師たちが作成した資料、行政文書、地域紙などを用いて、接収にかかわる行政と農民と教師ら労働組合関係者との関係を検討し、教師が果たした役割を考察したい。
14:35~15:20
伊藤敬佑(白百合女子大学・非常勤講師)
フランスにおける絵本・児童文学を用いた「子どもの哲学」の理論と実践
――エドウィージュ・シルテÉdwige Chirouterと他の実践者との対比から――
本研究発表では、フランスにおける絵本・児童文学作品を用いた「子どもの哲学(Philosophie pour/avec les enfants)」の実践について、その先駆者の一人エドウィージュ・シルテÉdwige Chirouterの方法論を中心に、その特徴を明らかにすることを目指す。
発表者はすでに第31回研究例会で、フランスにおいて絵本・児童文学が公教育に組み込まれた過程と、「道徳・市民教育(EMC)」の授業内でシルテが実践した絵本・児童文学を用いた「子どもの哲学」の概要について明らかにした。本発表ではそれを発展させ、シルテ以外の「子どもの哲学」の実践者、例えば「子どもの哲学」をフランスに持ち込んだ第一世代の一人であり、シルテの指導教官でもあったミシェル・トジMichel Tozziや、シルテ自身がフランスの「子どもの哲学」の潮流を3つに整理した際に自身と同じ「教育的論点」に分類したアンヌ・ラランヌAnne Lalanneらの理論と実践と対比をしつつ、シルテの手法の特徴をより詳しく把握し、後期に計画している大学での実践につなげたい。
15:30~16:20 各参加者の最近の研究・教育などの短報
発表者以外の参加者が、最近の研究・教育活動について、5~10分程度で話す。
16:35~17:20
太田明(女子栄養大学・客員教授/神戸医療未来大学・特任教授)
ロボット掃除機と〈教育の学習化〉
――ガート・ビースタの〈学習のポリティクス〉批判――
教育哲学者ガート・ビースタによる「子どもの哲学」やP4Cへの批判について拙稿(『ハルシオン』第11号掲載、2024年)で検討した。だが、そこではビースタの現代教育全般についての批判とビースタ自身の構想に触れることができなかった。しかし、この点を明確にしておかないとP4Cへの批判の意味を十分には理解できない。そこで本発表では、〈教育の学習化〉に焦点を当てて彼の〈学習のポリティクス〉批判(=〈教えること〉の復権)という構想を検討する。
17:20~17:30 事務局からのお知らせなど