第29回研究例会

■ 日時 2022 年 9 月 17 日(土)13:00-17:00(ハイブリッド形式) 

■会場 青山学院大学総研ビル9階の第15会議室 〒150-8366 東京都渋谷区渋谷 4-4-25

(オンライン会場は当会の連絡先office-children(アットマーク)freeml.comまでお問い合わせください)


■ プログラム(発表時間25分 + 質疑応答15分 = 40分) 

13:00 開会 

13:05-13:45 「映画・絵本から歴史を問う-歴史総合の実践から-」 

鈴木明日見(駒澤大学非常勤講師) 

 今年度から高等学校では新しく歴史総合という科目が始まった。この科目は従来の日本史と世界史が融合され、近現代史を中心に学ぶことになっている。そして生徒一人ひとりが史資料を使い、その特徴を理解した上で、歴史に対する問いの答えを探し、それを表現していくことを目標としている。歴史的課題をフィクションである映画や絵本という資料を使用して読み解くことの意義と課題について、高等学校での歴史総合の実践例を踏まえて考えたい。 


13:45-13:55 休憩(10 分)

13:55-14:35 「独立後のアゼルバイジャン共和国の人口動態と子どもの権利(3)― ―子どもの権利の実態とその保護の動向――」

村知稔三(青山学院大学) 

旧ソ連諸国の 5 つの地域のうち、バルト地域を除いた 4 地域から各 1 か国を選んで、子どもの権利と保育・福祉の実態に関する比較研究を行なうという計画の最後の対象国として、南コーカサス(ロシア語でザカフカース)地域 3 か国のひとつ、アゼルバイジャン共和国を取り上げた発表である。ロシアとの対比で、同じスラブ圏のベラルーシや、中央アジア地域のカザフスタンを対象としたときと同じように、今回の第 3 発表では、アゼルバイジャンにおける子どもの権利条約の国内実施の進行状況について、政府報告書と総括所見などをもとに素描し、他の3 か国との比較を通して、アゼルバイジャンの子どもの権利保護の動向にみられる特徴を明らかにしたい。


14:35-14:50 休憩(15 分) 

14:50-15:30 近況報告(40 分) 


15:30-16:50 「近現代イギリスにおける〈親子分離〉」 

森本真美(神戸女子大学)、並河葉子(神戸市外国語大学) 

ヴィクトリア期イギリスに確立したとされる、外で稼ぐ夫と主婦として家庭を守る妻、両親に慈しまれる子どもという理想の家族モデルは、本来は白人中流階級というごく限定的な階層的価値観を体現したものであった。しかしその影響はイギリス本国の下層階級や帝国植民地の被支配民族、解放奴隷などの周縁的階層にたいしても及び、さらには 20 世紀にいたるまでその命脈を保って、家族の「正しい」在り方のグローバル・スタンダードとして普遍化されてゆく。だが一方で、そのような家族の現実は理想像とは異なり、とりわけ周縁的階層は様々な理由から多くの家族が親子の一方が不在状態となる〈親子分離〉を経験していた。報告は近現代イギリスにおける<親子分離>の実相と、そのありふれた現実が問題視され、正すべき逸脱であり悪弊と位置付けられるにいたった過程を、子どもの権利やジェンダー、エスニシティの視点もふまえて検証する可能性を提起したい。 


16:50-17:00 諸連絡 

17:00 閉会

世界子ども学研究会

世界子ども学研究会は、「世界各地の社会・歴史・文化の中の、子どもと青年」を研究対象とした研究会として、2009年にスタートしました。歴史学・教育学・保育学・発達社会学・(児童)文学・音楽学などの諸分野間での、グローバルな学術交流を行なっています。本研究会にご関心のある方は、以下のアドレスまでメールでご連絡ください。 office-children(アットマーク)freeml.com